你好!こんにちは!
VPNサービスを選ぶためのポイントはたくさんありますが、その中でも最も重要なのは「自分の目的と合致したサービスを選ぶこと」です。
中国のネットライフでVPNサービスはもはや欠かせない生活インフラになりましたよね。
でも、VPNのサービスも本当にたくさんあって、どれが一番いいVPNなのかわからない!と、そんな迷いが出るのも当然です。
今回は、どんなVPNを選べば良いのか、選ぶときの手がかりにしていただけるように、重要なポイントをお話していきます!
ぜひ参考にしてみてください!
まず最も大切なのが、「なぜVPNを検討しているのか」という自分の目的や、利用したいと考えている期間との条件が一致しているサービスを選ぶ、ということです。
数週間の旅行や出張ならば、有料VPNの無料利用期間があるサービスを中心に選ぶメリットが大きいですが、
「中国に長く滞在しており、セキュリティを強化したい」というケースや、「海外から日本のオンデマンド配信されている番組を継続的に見たい」
という場合はまた別の視点からサービスを比較した方が良いでしょう。
今回、VPNサービスを選ぶポイントを色々と挙げていきますが、最も大切なのは自分の目的に沿ったよりよいサービスを選ぶ、ということです。
この点を意識しながら、自分が優先するポイントはどれかな?と考えながらご覧いただくとVPNを間違えずに選べる近道になります!
続いて重要になるのが「セキュリティの安全性」です。
有料VPNはどこも非常に高い暗号化レベルのため、基本的には心配いりませんが、無料のVPNに関してはセキュリティ上の問題が以前から指摘されています。
別の記事でも紹介しましたが、2017年にオーストラリア政府の研究機関がカリフォルニア大学などと共同で、Google Playで配信されているVPNアプリ283点の調査を実施したところ、
● 18%は、暗号化通信を利用していなかった
● 84%は、ユーザーのデータ漏えいが認められた
● 38%は、マルウェアや悪質なWeb広告へのリンクが含まれていた
● 80%は、ユーザーアカウントやメールの本文など、端末にある機密性の高い情報へのアクセス許可を要求している
という事があきらかになっています。
参考:Google Playで配信されているVPNアプリの84%でデータ漏えい? その恐るべき理由
暗号化通信されていない場合はセキュリティ上に大きな問題がありますし、マルウェアなどのウイルスを含むなど論外です。
またデータ漏洩も深刻な問題です。
こういった問題の有るサービスを利用しないために、セキュリティポリシーやプライバシーポリシーを表明していて信頼のできるセキュリティレベルの高い事業者のサービスを利用するようにしましょう。
【追記】
実際に無料VPNからデータの漏洩がありました。
参考:7つのVPNサービスから2000万人超のユーザーデータが漏洩していたことが発覚
今回、悪質だったのはサービス事業者がユーザーに対して、オンラインアクティビティのログを保持しない宣言、つまりいわゆる「ノーログポリシー」を表明していたにも関わらず、ログを含むさまざまな情報がデータベースに保存されてしまっており、しかもそれがサーバー上で誰にでも見られるようになっていた、ということです。
この事件を踏まえて「もしかしたら企業側がポリシーを遵守していないかもしれない」という危険性を考慮しなければならなくなりました。
今まで以上にVPNのサービス選びは慎重に行う必要がある、ということです。
危険性の高い無料のVPNは安易に利用しない方が良さそうです。
VPN選びで欠かせないのが値段です。
有料のVPNサービスは毎月などのランニングコストが発生してしまいますから、なるべく安く、なるべく高い品質のものを選んだほうが良いですよね。
無料のVPNサービスももちろんありますが、前述したとおり、無料のVPNにはセキュリティ上の大きな不安があります。
個人的には全くおすすめできません。
そのため、もし短期間VPNを利用したい、一度サービスを試してみたい、という場合には有料VPNサービスの無料トライアルを利用することがおすすめです。
無料のお試し期間を設定していない事業者もありますが、その場合は返金サービスを行っているところもあるようです。
個人的な印象としては、日系のVPNのほうが無料お試しサービスを実施してくれており、利用しやすいと感じています。
海外、とりわけアメリカ系のVPNサービスは値段が安く、以前はパフォーマンスにも優れていたのですが、
ここ数年は非常に不安定になってきており、費用対効果が高いとは言えなくなってきています。
値段は安い方が良いですが、ほとんど繋がらなければ意味がありませんよね…
この値段の部分は後述する通信速度や安定性とセットで考えるようにしてみてください。
サービスを提供している事業者が信頼できるかどうか、も重要なポイントです。
VPNはサービスの構造上、利用した情報の多くは事業者に筒抜けになってしまいます。
そのため、どんなに優れた暗号化のサービスを提供していても、どんなに早い速度のサービスだったとしても、もしも事業者に悪意があれば、その情報は流出させられてしまうかもしれません。
ポイント2.のセキュリティの安全性とも重複する部分ではありますが、
そのサービスの事業者自身が本当に信頼できる事業者なのか、確認したほうが良いでしょう。
前述の通り、ノーログポリシーを表明していたとしても、本当に遵守されているかわからない、という不安な部分もあります。
特に無料のサービスは売買契約が結ばれていないため、信用することが難しい状況です。
有料のサービスで、信頼の置ける事業者のサービスを利用するようにしましょう。
日本国内であれば、例えば総務省・関東総合通信局に電気通信事業者として届出がされている場合、その番号を公表していることもあります。
そのような事業者は政府からも承認を得ているため、一定の安心感がありますよね。
それぞれの運営企業が信頼できるかどうか、よく見極めることが大切です。
続いて忘れてはならないのが通信速度の速さです。
VPNサービスの安全性が高くても、通信速度が遅くてまともに繋がらないのであれば意味がありません。
VPNのサービス内容によっては月々の容量に制限があったり、それを超過すると速度制限がかかったりする場合もあります。
そういったサービスよりは、容量の制限や速度制限のないサービスの方が使いやすいといえます。
そして、もちろんVPNの速度は早いほうが良いのですが…
これは実は計測することがとても難しいです。
なぜかと言うと、中国の中でも地域によってVPNの繋がりやすい、繋がりにくい、速度の早い、遅い、という地域性が大きいということと、
元々のインターネットプロバイダとの契約の内容、使用している無線ルーターの品質など、様々な要因が組み合わさってVPNの速度、というものが表面化するからです。
そのため、VPNサービスについては「このサービスが必ず早くて絶対におすすめ!」と言うことができないのが現実です。
しかし、接続速度に関して深く関わってくるのが後述する「対応プロトコル(接続方式)」です。
詳しくはプロトコルの項目で説明しますが、繋がりやすく速度も早く、安定性の高い接続方式というものがあります。
2020年10月現在中国では特におすすめなのが
● IKEv2
という接続方式は非常に速度が早く安定しているためおすすめです。
その他にも
● IPSec
● OpenVPN
あたりも次点でおすすめです
あとはプロトコルとは少し違いますが、
● ShadowSocks
というプロキシを利用した接続方式も一時中国滞在者には人気でした。最近では規制強化期間に入ると全く使い物にならない事もあります。接続速度も通信速度もそこそこ速く最近は安定性がありますが一長一短と言ったところです。
これらの優先度の高い接続方式を提供している事業者を選ぶことも速度を維持する上で重要な要素です。
なにかトラブルが起きたとき、うまく接続できないとき、そんなときのサポート体制が手厚いことも非常に重要な要素です。
中国国内からVPNを利用していて、トラブルが起きないことは100%ありません!
継続して使っていれば必ず何かしらの接続障害は起こります。
というのも、中国の金盾(グレートファイアウォール)は年々強化されており、人海戦術だったときもあれば現在はAIが導入されているなど、状況は刻々と変化しています。
そのため、必ず安心、絶対繋がるサービスはありません。
その中でも、サポート体制がきっちりしている事業者は復活も早いですし、迅速な対応をしてもらえます。
どこのサポート体制が手厚いのか、簡単に見極めることは難しいですが、その中でも重要なのは対応言語です。
欧米系のVPNサービスのサポート事務局の中には日本語対応をしてもらえない事業者があります。
英語が得意な方であればそういった欧米系のVPNでも大丈夫だと思いますが、英語に自信がない方は日系のVPN、もしくは日本語対応可能なVPN事業者を選ぶほうが安心です。
中国でVPNサービスを利用する時に重要なのが「接続の安定性が高いかどうか」です。
前述したとおり、中国では必ず繋がるサービスはありません。
むしろ、重要なのは繋がらなくなってから復旧までの時間が短いかどうかです。
規制が強化されるたびに何週間も接続出来ない…というようなことが続けば嫌になってしまいますよね。
なるべく即日で利用できるようになったり、接続方式やサーバーを変えることですぐ繋がるようになったりするのが理想です。
この復旧の早さが分かるのは規制が強化された時です。
使えなくなった時は無料お試しなどを利用して色々な業者を試してみましょう。
続いて重要なのがセットアップの簡単さです。
ここまで書いてきたとおり、サーバーをつなぎ直したり、接続方式を切り替えたり、ということは日常茶飯事で起きます。
しかし、復旧が早い業者では再設定や別サーバーへのつなぎ直しなど一切行わずともそのまま数分~即日で復旧する業者もあります。
接続をつなぎ直すのに時間がかかるようでは…
とても無駄な時間を過ごす気分になりますよね。
最悪、接続先変更などやサポートが必要になった際でも
日本語対応がされているところがおすすめですね。
もちろん英語が読める方はその限りではありませんが、
日本語で分かりやすく接続の設定の仕方が掲載されている、また、わからない時に日本語でサポートデスクに相談できる、ということはとても大事なのがお分かりいただけると思います。
日本語表記で分かりやすくセットアップの方法が紹介されているサービスがおすすめです!
自分が利用したい機器(スマホなど)が対応しているか、また、同時接続か可能かどうかというポイントも重要です。
VPNサービスは事業者によってAndroidやiPhone、Windowsなど、対応可能な機器が違っている場合があります。
また、対応可能であっても、ある機器では速度の早い接続方式は選べない、ということもあります。
まずはご自身がどの機器(パソコン、スマホ、その他)で接続したいのか、また、その機器はどんなOSなのか調べておくといいでしょう。
パソコンならmacOS、Windowsあたりが多いと思いますし、
スマホならAndroidやiOS(iPhone)が多いと思います。
それ以外にもBlackBerryやLinuxという場合もあるかもしれません。
自分の利用したい機器が対応しているか、確認するようにしましょう。
また、同じくらい大切なのが、同時に利用したい機器はいくつあるのか、ということです。
ご自身のパソコンだけなら1台の利用可能数で問題ありませんが、
自分のパソコンとスマホ、奥様のパソコンとスマホ…となるとそれだけで同時に4台の接続が必要になります。
そのため、自分の利用したい機器の数よりも提供されている同時接続可能数が多いことを確認しておきましょう。
サービスによっては1台しか利用できない、という事業者もありますし、逆に10台可能だ、という事業者もあります。
いくつ使うかわからない、という場合にはなるべく多く利用可能なサービスを選ぶのが安心でしょう。
さて、最後に重要なのが優れた接続方式(プロトコル・プロキシ)に対応しているかどうかというポイントです。
接続方式もどんどん新しく、セキュリティも高く、スピードも早いものが開発されており、その新しい接続方式に対応しているかどうかが重要になってきています。
現在よく利用されているプロトコルの特徴を以下の表にまとめました。
VPN | セキュリティ | 速度 | 安定性 | 互換性 | 結論 |
---|---|---|---|---|---|
PPTP | 低い | わりと早い | 中国においてはよくブロックされる | 昔は非常に良かった。現在iOS/macOSはサポート外 | まだ使えるが、中国での安定性は低い |
L2TP | PPTPよりは高い | PPTPに劣る | 中国においてはよくブロックされる | 非常に良い | まだ使えるが、中国での安定性は低い |
OpenVPN | 高いレベル | L2TPよりは早い | 中国においてはブロック対象になりやすい | ほとんどの端末で専用ソフトをインストールする必要あり | 独自に構築したOpenVPNサーバーなら良いが、大量ユーザーのサーバーはブロックされやすい |
SSTP | 高いレベル | OpenVPNと同レベル | 比較的ブロックされにくい | Windowsのみ | 汎用性が低いのでおすすめしない |
IPSec | 高いレベル | 非常に早い | 比較的ブロックされにくい | 非常に良い | おすすめ |
IKEv2 | 高いレベル | L2TP、PPTP、SSTP よりも早い | 比較的ブロックされにくい | 最新iOS、macOS、Windows7以上利用可、Androidは別途アプリが必要 | 最もおすすめ |
Any Connect |
IPSecと同じ | 非常に早い | 比較的ブロックされにくい | 全ての端末に別途のソフト が必要 | ほとんどは法人ユーザー |
PacketiX/ ソフトイーサ |
IPSecと同じ | 非常に早い | 比較的ブロックされにくい | Windowsのみ | Windowsならおすすめ |
この中で、おすすめの順位をつけるとすると
IKEv2 > IPSec > OpenVPN > L2TP>PPTPです。
特にIKEv2は現在最もおすすめしたい接続方式です。
安定性も高く、様々なデバイスで使えるため、真っ先に検討して良いでしょう。
また、プロキシによる接続方式にもおすすめがあります。
以下にまとめました。
プロキシ | セキュリティ | 速度 | 安定性 | 互換性 | 結論 |
---|---|---|---|---|---|
socks4/ socks5 |
ほぼない | 普通 | ブロックされやすい | 使える端末は多いが、設定が面倒 | おすすめしない |
暗号化プロキシ | 暗号化してあれば高い | 普通 | ブロックされにくい | 専用クライントが必要、設定が面倒 | パソコンに詳しい方のみおすすめ |
Shadow Socks |
高い | 速い | ブロックされやすい | 専用アプリが必要 | おすすめしない |
HTTPS式プロキシ | 高い | 非常に速い | ブロックされにくい | mac/Win/Linuxなどパソコンしか使えない | おすすめ |
プロキシの接続方式は上記の他にも、企業の独自開発のものもあります。
独自開発の接続方式は中国においてブロックされにくいですが、その事業者でしか使えない、という問題があります。
しかし、現在はIKEv2を利用したプロトコルの接続のほうが安定しているため、トータルではそちらをおすすめします。
これらの安定性もスピードも早い接続方式が利用可能かどうか、もVPN事業者選びで重要になるポイントです。
事業者によって対応している接続方式はかなり異なりますので、よくチェックしましょう。
いかがでしたか?
今回はVPNを選ぶために重要な10のポイントを解説しました。
万人にすすめられる万能なサービスというのはなかなかありません。
そのため、自分のほしいものにピッタリ合うサービスを選ぶ、ということが何より大事になります。
自分が重視したいのは安定性か、セキュリティか、国産の信頼性か、あるいは、コストなのか…
人によってはたくさんの台数を同時に利用したい!ということもあるでしょうし、利用は1台でもいいからたくさんのサーバーで接続が不安定になりにくいことが大切、という方もおられると思います。
自分の重視するポイントは何なのか、それを踏まえて、この10のポイントを通して自分にぴったりなVPNサービスを選んでくださいね!